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スタンダードとはなにか

2010.01.23 00:49  レコード棚から

 狭い部屋の中に積み上げたCDの山。これ、人生も後半戦にずっぽりさしかかってくるとこれからどれだけ聴けるのだろう、と思うとちょっと寂しい感じもしますが、だからといって思い切って処分するにもなかなか踏ん切りが付きません。

 初めてCDを買ったときには1枚4000円くらいしていたのに比べると随分安くなっていますし、さらに悪いことには中古CDに手を出すようになってからは、あまり買わないようにしていてもついつい1枚、また1枚と増え続けています。

 ときどき、そうは言っても同曲違演などあまり聴かないCDをえいやっとまとまった数を整理したりするのですけど、気がつくとやっぱり増え続けているわけです。

 とはいうものの、ちょうど畳の交換をするときにその下に敷いてある古新聞を読みふけってしまうのと同じように、CDを整理しながらも時々聞き直したりしているので遅々として整理が進まないのですが、そういった日々の生活の中で気がつくことがあります。

 それは、その曲を初めて聴いたレコードなりCDなりの演奏が自分の中でその曲の「標準=スタンダード」になって他の演奏を判断していること、です。

 つまり、まだ自分で好きなだけCDなどが買えなかった頃、親父のレコード棚から一枚、一枚聞き込んで行った演奏のテンポ、表情などが何十年たっても耳に残っており、その面影をもとめてあれこれCDを集めているような気すらするのです。

 たとえば、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。ヴァイオリンを弾く方には、特にパルティータ第2番の中のシャコンヌがおなじみの6曲セットですが、初めてこの曲集を全部きちんと聴いたのは、フェリックス・アーヨの演奏でした。

 イ・ムジチのリーダーをながらくつとめ、あの大ヒットした1959年の「四季」のソロを弾いているアーヨの演奏ですから、何か問題があるわけでは決してありません。しかし、このアーヨの演奏を求めたのは、別にアーヨが好きだったからとかではなく、ただ単にアーヨのレコードが当時一番安かったからに過ぎません。

ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」
(1991/06/25)
アーヨ(フェリックス)

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 乏しい小遣いを割いてなるべく多くのレコードを購うにあたって、コストを優先したからと言って責められる筋合いは無いはずです。この曲集、当時は大抵のセットがLP三枚組であったのに対して、アーヨ盤は2枚に全6曲を詰め込んであり、しかも廉価盤だったのです。

 それがアーヨ盤を選んだ最大かつ唯一の理由でした。もちろん当時から耳年増だったので、ミルシュテインが最高、とか、シェリングを超えるものはない、とか、クレーメルの最新盤がすごい、ということは知っていましたし、出来ればすべて手元において聞き比べてみたい、と思わない訳は無いのですが、悲しいかな、そのような贅沢は許されませんでした。(今、CDの山があるのはその頃の反動かもしれません。)

 で、アーヨの弾くバッハ。明るい、しなやかな演奏です。クレーメルの様な激しい演奏と比べると平板に聞こえるかもしれませんが、このレコードを聴くたびにひたすらこの曲に没入した、あの頃のことを思い出します。

 そういうわけで、バッハの無伴奏、その後、ミルシュテインも、シェリングも、クレーメルも、エネスコも、マルツィも、天満敦子も、前橋汀子も、その他両手で数えられないぐらいの演奏を聴きましたが、ふと思い出すのはアーヨのあのしなやかなバッハです。

 もし、たった一組この曲集の録音を選ぶならば、ヨハンナ・マルツィの神々しいばかりの演奏になるかもしれません。それほどマルツィの演奏はすばらしいものだと思います。

 でも、たとえばマルツィだけ残して他の録音を手放せば、きっとマルツィには感動しながらも、心の中ではアーヨのしなやかな演奏が鳴り続けていくのだろうと思います。

 だからバッハの無伴奏、私のスタンダードはアーヨなのです。現在パルティータのみが現役盤として残っているようですが、また復活するといいですね。もちろん中古で買ってあって全曲盤が手元にあるわけですけど。

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集
(2007/10/17)
アーヨ(フェリックス)

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タグ : バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ シャコンヌ

| コメント(12) | トラックバック(0) | ↑ページトップ |

この記事へのコメント

ピアノをやっていた頃に、レッスンでやる曲は、よく先生にCDを借りていました。
なので、そのCDの演奏がスタンダードとして刷り込まれるんですよね。
違う演奏を聴くと、違和感を感じることがあります。

最近いくつか買いたいCDがあるのですが、どこのを買えばいいか悩み中です。
とりあえず安いナクソスにするか、高くても有名なオケがやっているものにすべきか(--〆)
聞いてみないとアタリかハズレか分からないのがイタイです(+o+)

キキ | URL | 2010.01.24 01:22 | 編集

Re: タイトルなし

キキさん

> 違う演奏を聴くと、違和感を感じることがあります。
そうそう。そんな感じですね。昔はレコードだったので、パチッと雑音が入る個所まで覚えていて、それがないと、あれ?と思ったものです。

> 最近いくつか買いたいCDがあるのですが、どこのを買えばいいか悩み中です。
> とりあえず安いナクソスにするか、高くても有名なオケがやっているものにすべきか(--〆)
> 聞いてみないとアタリかハズレか分からないのがイタイです(+o+)

うーん、これは買ってみるしかないですね。まあ、お薦め盤というのは大抵あるものですが、それを気に入るかどうかは、もう自分で聴くしかありませんから。

credenza | URL | 2010.01.24 01:59

こんばんは

私のバッハ無伴奏のスタンダードといえば
ヒラリーハーンです。

でもシャコンヌだけはメニューインなんです。
DVDアート・オブ・バイオリンでの演奏が印象強くて・・


アーヨ、リストに入れさせていただきます♪

ゆこべえ | URL | 2010.01.24 19:33

やっぱりみんなそうなんですね。

僕が初めてきいたバッハの無伴奏は、シェリングの演奏でした。
買ったのは高校生の頃だったので、毎日ききまくってましたよ。
で、大学~社会人になって、ほぼ好きなだけCDがきけるようになると、シェリングと違う解釈には違和感を覚えるんですね。
で、仕舞いには楽譜を見ながら自分で演奏する妄想に走るわけです。
当然ながら、シェリングの演奏をイメージしてるんですよ。
ところが、何年か振りにシェリングの演奏をきいてビックリしたんです。
自分のイメージしていたのと、全然違うんですよ。
あまりに色々きき過ぎて、しかも妄想演奏までしてたので、自分なりに解釈をしちゃってたんですね。

これは唯一の例外かもしれません。
この曲以外は、やっぱり最初にきいた演奏がスタンダードになってます。

che | URL | 2010.01.25 21:07

初めてきちんと聴いたゴールドベルクがグールドだったわたくしの場合はどうすれば;

ええ、未だに、脳内で再生されると鼻歌つきです;

i-hana | URL | 2010.01.27 13:04 | 編集

Re: こんばんは

ゆこべえさん

こんばんは。お返事が遅くなりました。

> 私のバッハ無伴奏のスタンダードといえば
> ヒラリーハーンです。
ハーンって全曲録音していましたっけ???

> でもシャコンヌだけはメニューインなんです。
> DVDアート・オブ・バイオリンでの演奏が印象強くて・・

なるほど、そうですか。メニューインは50年代にも録音がありますが、まだもっと若かった30年代(メニューイン二十歳少し前!)のものが若さたっぷりのすがすがしい演奏ですよ。

> アーヨ、リストに入れさせていただきます♪

できれば6曲全部入ったのを聴いて見てくださいね!

credenza | URL | 2010.01.27 23:27

Re: タイトルなし

cheさん
こんばんは。やっと出張より帰って来ました。

> やっぱりみんなそうなんですね。
そうなんですよね。きっとみんなそうだと思います。

> 僕が初めてきいたバッハの無伴奏は、シェリングの演奏でした。
> 買ったのは高校生の頃だったので、毎日ききまくってましたよ。
おお、私もシェリングはグラモフォンから「日本限定」でCDが出たときに買って随分聴きまくりました。当時お値段は・・・6400円!!、ということまではっきり覚えております。大学の頃でした。

> で、大学~社会人になって、ほぼ好きなだけCDがきけるようになると、シェリングと違う解釈には違和感を覚えるんですね。
> で、仕舞いには楽譜を見ながら自分で演奏する妄想に走るわけです。
> 当然ながら、シェリングの演奏をイメージしてるんですよ。
そうそう、音楽マニアって多かれ少なかれこうなりますね。

> ところが、何年か振りにシェリングの演奏をきいてビックリしたんです。
> 自分のイメージしていたのと、全然違うんですよ。
> あまりに色々きき過ぎて、しかも妄想演奏までしてたので、自分なりに解釈をしちゃってたんですね。

これも良くわかるなぁ。でも、それでも結構同じような解釈になっていませんでしたか?スタイルは似てくると思うんですよね。

> これは唯一の例外かもしれません。
> この曲以外は、やっぱり最初にきいた演奏がスタンダードになってます。
困るのは、変な演奏が「スタンダード」になってしまったとき(笑)。あとから上書きするのって大変かも知れませんね。

credenza | URL | 2010.01.27 23:31

Re: タイトルなし

i-hanaさん
こんばんは

> 初めてきちんと聴いたゴールドベルクがグールドだったわたくしの場合はどうすれば;
よろしいんではないでしょうか。あれは、もう、ゴールドベルクというより、むしろグールドそのものですから。

> ええ、未だに、脳内で再生されると鼻歌つきです;
私なんか椿姫の第2幕、トスカニーニのリハーサルが脳内にこびりついていて、舞台でソプラノが歌っていても聞こえてくるのはトスカニーニのだみ声です(笑)

credenza | URL | 2010.01.27 23:33

フェリックス・アーヨのバッハ

はじめまして。credenzaさん。fuyukoさんのところから来ました。
私はアーヨの無伴奏ソナタとパルティータのCDを持ってます。
買った頃は演奏家の名前なんて全く知りませんでしたので誰のがいいのか解らずジャケットで選びました。先生に話したら「変わった人のを買ったわね。バッハはシェリングがお手本よ」と言われ、即、シェリングのバッハも買いましたけど、違いが解りませんでしたね(笑)

エメラルド | URL | 2011.08.04 09:32

Re: フェリックス・アーヨのバッハ

エメラルド さん
こんばんは。はじめまして。
> はじめまして。credenzaさん。fuyukoさんのところから来ました。

コメントありがとうございます。fuyukoさんのところから時々エメラルドさんのブログも拝見しておりました・・・

> 私はアーヨの無伴奏ソナタとパルティータのCDを持ってます。
> 買った頃は演奏家の名前なんて全く知りませんでしたので誰のがいいのか解らずジャケットで選びました。先生に話したら「変わった人のを買ったわね。バッハはシェリングがお手本よ」と言われ、即、シェリングのバッハも買いましたけど、違いが解りませんでしたね(笑)

ははは。確かに違いは判ってもなかなかどちらがいいか、などとは言いにくいですからね。シェリングは随分ききましたし、他にもミルシュティンなどもお気に入りです。でも最近よく聴いているのは加藤知子だったりしますし・・・(笑)それぞれに特徴があって聞き比べると面白いです。

エメラルドさんはもう随分ヴァイオリンも長く続けていらっしゃるようで、私などとはやっていることが随分違うと思いますが、今後ともよろしくお願いします。あ、これを機会にリンクさせていただきました。

credenza | URL | 2011.08.04 23:31

もうお越しいただいてたんですね

始めたのは20年位前ですが止めてた時期は全く弾いていませんでしたので実質10年くらいです。
今は楽譜が複雑なだけでやってる事は credenza さんと同じですよ。
何事も基礎が大切なので、credenzaさん!今のうちにみっちり基礎を脳と体に覚えこませることをお勧めします。でないと先に行って悩むことになります(笑)
特に弓の持ち方は大切です!指弓なんかも出来ると良いです。
リンクありがとうございます。

エメラルド | URL | 2011.08.05 09:31

Re: もうお越しいただいてたんですね

エメラルド さん

> 始めたのは20年位前ですが止めてた時期は全く弾いていませんでしたので実質10年くらいです。

そうなんですか?でも実質10年というとかなりのものだと思いますよ。大人になってから始めると、なかなか続けるのも大変ですから。

> 今は楽譜が複雑なだけでやってる事は credenza さんと同じですよ。

いや、その複雑な楽譜が弾ける、というのがやっぱり違うと思いますよ(笑)

> 何事も基礎が大切なので、credenzaさん!今のうちにみっちり基礎を脳と体に覚えこませることをお勧めします。でないと先に行って悩むことになります(笑)


はい。その通りだと思います。この辺りできっちり固めておかないと・・・と師匠にも言われています。なので振り出しに戻ったようなレッスンが続いています・・・

> 特に弓の持ち方は大切です!指弓なんかも出来ると良いです。

たしかに。この辺り結構徹底的に直されています。指弓、難しいです。

> リンクありがとうございます。
こちらこそありがとうございました!

credenza | URL | 2011.08.06 01:18

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