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ザイツはなぜおもしろいか その2:実践編

2010.02.06 00:13  レッスンの周辺

さて、そんなザイツの学生協奏曲ですが、それでも弾いていておもしろいのは、なんといっても曲想がダイナミックに変わるからでしょう。これまでのメヌエットをはじめとする舞曲などでも第1部と第2部では転調したり曲想が変わったりしましたが、細かく変わることはありませんでした。

 そしてこれまでのバロックの曲とは違い、19世紀の作品であることもあって、思い切りヴァイオリンらしく歌わせることが出来るからです。歌を歌っているように、感情にあわせてすこし表情豊かに弾ける訳ですから、自分が名ヴァイオリニストになった気分が味わえます。この辺が「ザイツは楽しい」の理由だと思います。

 では第2番の第3楽章。まず出だしの主題提示。師匠から散々言われていたとおり、軽く飛び跳ねる様に始まります。ト長調ですからもともと明るい感じなのですが、特にこの主題部分はスタッカートの付け方がちょっとおもしろく、躍動感が出るようになっています。アウフタクトの4小節ですが、ちょっとモーツアルト的な主題はスラーあり、スタッカートあり、前打音あり、テヌートありと単純な中にもこれまでやった技法の総復習の感じがあります。
2Seitz2theme.jpg

 なお、スタッカート。これまでは弓をしっかり止めて音を切る、という弾き方でしたがこれでは綺麗に響かないので、弓を軽くはねさせて音を切る弾き方になります。師匠何も言いませんでしたが、こう弾かないと駄目だというのは譜面面みても明らかですね。

 主題が繰り返された後、シシと二音続けたあと山場の重音にさしかかります。このシシ。この曲の中では何度もフレーズをつなぐ役割を果たしていますが、同じように弾くとつまらないので、いろいろ考えて表情をつけることになります。この辺の「自分で考えて歌う」ところがまずおもしろさの一つでしょう。これまで同じような音型で「すこし表情を変えて弾きましょう」と指摘されることもありましたが、この曲では何カ所も出てきます。ぜーんぶ違った弾き方をする必要はありませんが、さらっと弾いたり、粘って歌ったりと工夫のしがいがあるところです。
seitz2bb 1

 まあ、ここは重音がメインなので導入のシシはさらっと弾きました。その直後に出てくるラーラの一オクターブの飛躍。きちんと音が合っていないと悲惨ですけど、幾分伸びやかに響かせるといいかもしれません。

 そして重音。音が重なって厚みがでてハイライトには間違い無いのですが、ここはギシギシやると重くなってしまうのでむしろ軽く弾き飛ばす感じでしょうか。いずれも八分音符ですが前半はスラー、後半はスタッカートです。前半は優雅に、後半は軽くはずませて弾ければ・・・言うことありません。実際はもう弾くだけで必死なので結局はギシギシとなってしまいますが、気持ちは別です(笑)。メロディラインは、みふぁそふぁみ  れみふぁみれ と三重和音をはさんで対になっています。
1seitz 2stop2

 次のソロの箇所、レのオクターブを軽くはじいた後、再度主題が提示されます。軽く展開された後は伴奏にうつります。ここ、指定は最初と同じグラジオーソですが、最初を軽く弾いたのなら少しゆったりと弾いてもいいかもしれませんね。seitz2solo1.jpg



 ピアノのパートが勇ましく鳴ったあと、ふたたびソロ。例によってシシで入っていきますが、この辺がもう協奏曲の世界そのものですね。seitz2solo2.jpg


 ここのシシ、スタッカートではありませんので、最初の一音は何となく頼りなげに、でも3音目のシはテヌートでエスプレッシーボですから、思い切り浪花節の様に弾いてしまいます(笑)。ここは自己陶酔の世界なので出来れば個性的なヴァイオリニスト、えっと、最近だとうーん、ギトリス(笑)にでもなったつもりで思い切って弾きます。おすすめは、そうですね、エルマン(爆)。一世一代のソロですからもう、たっぷりと感情を込めて弾きましょう(笑)。
seitz24.jpg
 つぎのエスプレッシーボ・エ・トランキッロ。「感情をこめて、しっとりと」、ということですから本当にゆったりと、たっぷりに弾いていきます。途中、フレーズの接続詞、シシの連続音をどう弾くか、腕の見せ所です。途中の強弱の指定はありますが、全体として大胆に最後のffにむけて盛り上げていく感じでしょうか。そしてそのピークでテヌートで盛り上がり、リタルダンドです。ここは少し早めにテヌートで最高音から降りてくるところからガクッとスピードを落とします。ちょうどメンゲルベルグのようにやるといいでしょう。

 いやですね、こういう嫌みな弾き方。でもやっている方はもう楽しくて仕方ありません。19世紀風に大きく崩して弾きましょう。なに、ザイツってその当時の人ですから、遠慮することありません。きっと大胆にフレージングつけて弾いていたのに違いないのです。

 ページがかわってアテンポに戻ってここからは音程とスラーです。アルペジオがどたばたしないように綺麗に響かせるように、そしてフレーズの切れ目はたっぷりとタメをとって弾いていきます。走りたくなる気持ちをぐっと抑えてインテンポ・・・の筈ですが、単純に2回繰り返すのでそこはまあ、すこーしテンポを上げないと聞いていてだれますね。指定はピアノですが、これもまあ、最初はともかく、すこーしディナミークを上げましょう。ただし、次のブリランテのところがながーい上り坂(pp→ff)なので、あまり音量を上げてしまうと次が困ります。まあ、程度問題ですけど。seitz2arpegio.jpg

seitz2brillante.jpg

 で、ブリランテ。十六分音符で刻んでいくので音がびっこにならないように、軽くやっていきます。だんだん音量を上げていくのはいいのですが、結構長いフレーズでずーっとやっていくのはしんどいので適当にアクセント、特にE線のドやシといった最高音にアクセントをつけるように強弱をマメにつけてごまかしましょう。途中一箇所ディミニュエンドがありますが、見なかったことにしてガンガン弾きます(笑)

 しかし、アテンポのところのアルペジオといいこのブリランテのところといい、結構「弾いてみたい」というキモを押さえているのはいいのですが、単純な繰り返しなのはちょっと寂しいですね。たとえばブリランテのところ、同じ音型でも前半をアルペジオにしてみるとかするともうちょっと変化があっていいかもしれません。あ、練習するとき16分音符を刻むのが面倒だったのでずっとアルペジオで弾いていたのは私です(笑)
1Seitz 3stop1

 そしてリゾルートの三重音。最初は2弦+1弦で弾いてゆったり響かせていたのですが、一気に3弦ならしてジャン、ジャンとやります。最初のうちはかなか綺麗に響きが残せませんが、力を込めてジャンと弾くのは気持ちがいいものです。(ちゃんと鳴れば、の話ですが)
seitz2recreation.jpg
 そして主題再現部。ここは曲の始めと同じく軽く弾いてピウ・モッソにつなげます。最後の方はお名残惜しいのでゆったり響かせてもいい感じですね。だからテヌートが付いていると思いますし、ついでにすこしリタルダンドもかけてしまって、次の忙しいフィナーレに突入する準備をしましょう。

 あとはまあ、どたどたと弾いてフィナーレです。この16分音符の刻み、もうちょっと遊びがあってもいいと思うのですが、簡単な音型で効果を出すのにはこれぐらいでちょうどいいのかもしれません。

 で、フィナーレ。重音を響かせていきます。八分休符が入っていますが、気にすることありません。もうちょっとでお仕舞いなのですから、休符は十分とってもいいと思います。最後ですからしっかりと「えんやこらせ」、と決めましょう(笑)
seitz2finale.jpg

 ということで、この曲、遊びどころ満載なんですね。まあ、技術的に全部出来るわけはありませんけど、気持ちとしては19世紀のロマン派(?)の曲ですから思い切りロマンチックに「こんな感じで弾いてみたい」というのがあってもいいと思いますし、何となくそれが出来そうな曲になっていて、その遊びの要素が入る余裕こそが「ザイツって弾いていて楽しいでしょう」という理由ではないでしょうか。

 ともあれ、実際にこんな風に極端に表情をつけて弾いてしまうと、多分しかられるかもしれません。でも、「こういう風に弾いてみたい」という感じが伝わる弾き方だってありだと思います。

 もっとも、実際には譜面を追っかけるだけでほとんど精一杯なのでそんなことにはまずならない上に、レッスンで弾いてみるとあちこちボロが出て、師匠もちょっと渋~い顔だったりするのですけど(笑)。
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タグ : 鈴木第4巻 ザイツ協奏曲第2番 第3楽章

テーマ : バイオリン - ジャンル : 音楽

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