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弓にかける力

2009.09.28 00:44  レッスンの周辺

マルティーニのガヴォット。この曲、お盆休みをはさんでバッハのメヌエットと並んでかれこれ一月近くやっていたので、正直なところもう飽きてしまいました。で、最後の1週間はもう、あまりやる気が起きませんでした。ずっと弾いていても飽きない曲もありますが、こういうのはちょっと苦手です。

 もちろんレッスンで指摘されて指が回らない箇所とスタッカートの練習は前に書いたようにそこそこやったのですが。他の部分についてはレッスンの前の日に2,3回さらっただけです。

 で、ほとんどの時間は「思い切り力を抜いて弾いてみたらどうなるか」、という実験をしていたのでした。何しろこの曲、メロディはワンパターンだし指が慣れてしまうとそれほど大変ではないのです。というわけで音がやせないように気をつけながらだんだん力を抜くようにやってみました。

 気がついたことは、かすれるように弓を動かしてもそこそこきちんと音が鳴ること。但し、そのためには弓を完全に直角に弾かないとダメなこと、の二つです。

 もう一つ。出来る限り弓の毛をべったり弦に乗せること。実は弓を換えた時に少し気になったのがフロッグの先端、ちょうど親指が当たるところです。

 大抵の弓はこの部分がまるくカーブ状に加工されており、この部分に親指を乗せ続けても痛くなることはないのですが、ギヨームの弓はこの部分がスパッと切り落とされた様になっており、長時間この角に親指を当てているとだんだん痛くなってくるのです。弓の弾きくらべをしていたときは特に力ずくで弾いていたような感じだったので余計に親指が痛い。

 そこで弓を購入した際に、嫌がる楽器屋さんに無理やり頼み込んでこの部分をごくかすかに面取りしてもらって少しだけまるく加工したのでした。こうするとそれほど親指が痛くなりません。

 とはいえ、あれこれ調べているとフロッグに親指をかけるような弾きかたはしない方がいいい、ということがわかりました。親指と向かい合う中指は巻き革の両側を押さえる様に持ち、上から人差し指で抑えるので3方向から弓を持つのがいい、とされています。

 ということで、弓の持ち方も少し変えて親指をフロッグに乗せるのをやめるようにしました。しかしこの持ち方をしていると、だんだん弓が指板の方に傾いてしまいます。まあ、これはこれでいいのですが、これまでの弾きかたから随分スタイルも変わってしまいました。
 
 そこで思い切り力を抜く代わりに、あまり弓を傾けずに弾くようにしてみると、却って音が安定するようになりました。これは思いのほか上手くいった様で、この次のレッスンでは師匠から「音がよくなった」とほめていただきました。実はそこそこ練習した成果なのですが、その次にやったバッハのブーレではやはり力を抜いて弓を引く余裕がないのが音からもバレバレです。師匠が「ほら、元に戻っちゃった!」とニヤニヤ笑っています。あの・・・

 話は変わりますが、昔読んだ小澤征爾の本の中に、彼がシャルル・ミュンシュに弟子入りするくだりがあります。ミュンシュが小澤に練習をつける際に、繰り返し言った言葉は「スープル(souple)」。「やわらかく」ということですがミュンシュはつづけて「力をぬけ、みーんな力を抜け。」と言います。

 もう一つ。今度はカラヤンのお話です。これも小澤さんだったかもしれませんが・・・と思って今ちょっと検索して調べたら、岩城さんのお話ですね。なんと便利な世界になったものですね。

 とにかくカラヤンの指揮というは、何を聴いても音が綺麗なのはいいのですが、あんまり好きではありません。でも彼は教えるのもなかなか上手かったようで、指揮の極意として「オーケストラをドライブしてはだめだ。キャリー(?)しなさい。」と言ったとか。ドライブはわかりますよね。でもこの「キャリー」って確か乗馬の用語だそうですが、要は力ずくで振り回すのではなく、軽く手綱をもって走っている馬がそれとわからないようにコントロールすること、だそうです。

 ちなみに件のやり取りは;

岩城:それから、「指揮で一番大事なことはキャリーすることで、ドライブすることじゃない」と。

阿川:どういう意味ですか?

岩城:最初は僕もわかんなかった。だんだんわかってきたのは、たとえば馬に乗ったとき、ドライブは手綱を引き締めてあっちに行けこっちに行けと完全に言うことを聞かせて動かす。馬はその通りに動くけど面白くない。キャリーはどこへでも好きなところへ行きなって言って、馬が人を乗っかってるのを忘れちゃって好きにしてるけど、実はそれを完全にコントロールしてる。その違いじゃないかと。

「阿川佐和子の会えば道づれ~この人に会いたい5」(文春文庫)より。

 これ(別の本だったと思いますが)を読んだ時にはふーん、そんなものかな、と思ったのを覚えていますが、改めてヴァイオリンを弾くようになって楽器を弾く場合でも同じような気がしました。

 弓が勝手に弦をこすって音を出しているのを出来る限り邪魔しないように弓を動かして弾くこと。ただ、たまたま出来ただけなので、他の曲でもできるという保障はまったくないのですけど・・・まあ、ぼちぼち練習あるのみです。
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テーマ : バイオリン - ジャンル : 音楽

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この記事へのコメント

こんにちは

>弓が勝手に弦をこすって音を出しているのを出来る限り
邪魔しないように弓を動かして弾くこと

偶然ですね♪
たまたま同じようなことを考えていました~

最近、スタッカートやスラー・スタッカートやらに
悩まされています。
無理に操作しようとするとぎこちなく、力が入ってしまい
どうしたものかと思っていました。

弓の性能・特性(はねたりetc)を生かしたらいいのでは・・・と
思っていたところです。

バイオリンも(駒・指版のアーチ等etc)演奏しやすいように
デザインされているのでしょうね。

本のたとえ、なるほどと思いました。
ドライブすることもなかなかですが
キャリーの境地で気持ちよく音を鳴らせてみたいです。

ゆこべえ | URL | 2009.09.28 15:58

凄く力加減で悩んでいるので、とっても参考になりました!

そうなんですよね、力を抜くって大事なんですよね。
分かっているのにこれが中々出来なくて・・・・
でも発想の転換なのかもしれませんね。

>邪魔しないように弓を動かして弾くこと

これ肝に銘じたいと思います!
私は多分邪魔をしまくりな気がします(汗

いい記事をありがとうございます!

ありょう | URL | 2009.09.28 23:19

Re: こんにちは

ゆこべえさん
> 最近、スタッカートやスラー・スタッカートやらに
> 悩まされています。
> 無理に操作しようとするとぎこちなく、力が入ってしまい
> どうしたものかと思っていました。

 あ、スタッカートはいつもずーっと悩んでいます(笑)
全然うまく行かないんですよね。

> 弓の性能・特性(はねたりetc)を生かしたらいいのでは・・・と
> 思っていたところです。

確かに弓の性能が上がると、ある意味弾きやすくなりますね。その分コントロールするのが難しくなるような気がしています。

> 本のたとえ、なるほどと思いました。
> ドライブすることもなかなかですが
> キャリーの境地で気持ちよく音を鳴らせてみたいです。

 うーん、この境地ってなかなか難しいのではないかと思います。
でも、そういう雰囲気で、力を抜いてやって見るといいかもしれませんね。

credenza | URL | 2009.09.28 23:49

Re: タイトルなし

ありょうさん

> 凄く力加減で悩んでいるので、とっても参考になりました!

参考になればうれしいです。なるべく不要な力を入れないのがいいように思っています。
が、なかなか実践には程遠いです。

> >邪魔しないように弓を動かして弾くこと
>
> これ肝に銘じたいと思います!
> 私は多分邪魔をしまくりな気がします(汗

 弓で弦を弾くと言うことは、逆に考えると弦が振動しているのを弓の毛で止めようとしている、と言うことなので如何にバランスをとるかなのだと思いました。
 お互い頑張りましょう!

> いい記事をありがとうございます!
いえいえ、参考になればうれしいです!

credenza | URL | 2009.09.28 23:54

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